17回日本抗加齢医学会総会(2017.6.2-4 東京国際フォーラム)、

統合医療機能性食品国際学会 第25回年会(2017.7.8-9 ホテルロイトン札幌)発表内容

ー 共同研究先:株式会社 小名細胞アッセイ技術研究所 ー

 

休眠打破巨峰ブドウ種子の抗がん作用

 

開発のきっかけ

父をがんで亡くし、がん患者のために何かできないかとの思いから、患者に最適な抗がん剤の選択を1時間で行うシステムの開発をしました。しかし、がん完治後、再発を心配されている方や、体力などの問題で抗がん剤を使えないような方には、このシステムは役に立ちません。

そこで、これらの方々に安心して使ってもらえるような、食品で効果が期待できるものの探索を行いました。この結果、アメリカで売り上げNo. 1資材であるブドウ種子抽出物(GSE)に辿り着きました [1]。

 

 ブドウ種子抽出物GSE)とは?

ブドウは、紀元前3,000年からカスピ海沿岸やコーカサス地方で栽培され、長い食習慣の歴史があります [2]。ワインポリフェノールは、発酵中のブドウ種子に由来するため、GSEが注目を集めています [3]。GSEはブドウ種子より抽出したポリフェノールで、抗がん作用、抗がん剤による副作用や放射線治療による副作用を減らす効果が報告されています [4]。

 

 ブドウ種子の能力を最大限に活かすには?

ブドウのタネは、ブドウの赤ちゃんです。タネから芽を出し育つために、たくさんの栄養分とともに生命そのものも宿っています。これを何とか最大限に活かしたいと思いました。しかし、残念ながら単純に食べても、種子の皮は硬く、細かく粉砕してもヒトでは消化できません。

では、中身だけ取り出せば?実はブドウのタネは、発芽に適した条件になるまで代謝やエネルギーの使用量を最低限に抑えて、成長活動を一時的に休止している休眠状態です。秋に地面に落ちてから冬を越え、春になると眠りから覚め、芽を出します。このため、ブドウのタネの成分は、雨が降っても流れ出さないように、水に溶け難い形です。しかし、一度眠りから覚めると、成分を水に溶けやすい形に変えて使います。ヒトでも同じで、水に溶け難いものは、体の中で水に溶ける成分に変える必要があり、効率が悪く、毒性が出やすくなる場合もあります。

 

 どうやって目覚めてもらおう?

目覚めに何ヶ月も掛かるとコストも上がるし、何より同時じゃないと成分が不均一になってしまう…さらに、少しでも芽が出てきたり(発芽)、タネの中で芽が作られタネが膨らんだ状態(催芽)、になると、折角の栄養は使われてしまって元も子もなくなってしまうし…

そこでブドウのタネを独自開発グランディール製法TMにより5日間で同時に目覚めさせる(休眠打破)方法を開発、赤ちゃんの生命力そのものを取り出すことに成功しました。この際タネの皮は除き、消化・吸収できる部分を分離・抽出しました(図1)。

図1 実験スキーム

 

 休眠打破ブドウ種子抽出物(DB-GSE)の抗がん効果

ヒト膵臓がんの細胞を用いて、DB-GSEをヒトの消化・吸収モデルで処理、抗がん効果を独自のシステムを中心に評価しました(図1)。この結果、全く何も入っていない対照に比べ、消化液が含まれる場合には、極低い濃度ではがん細胞を活性化してしまいますが、薬効は濃度依存性があり、2.5 mg/mlを越えると効果が認められはじめ、5.0 mg/mlで最大でした。これ以上では細胞の機能停止を起こす毒性でしたが、炎症を起こす一般的ケースとは異なり、副作用は低いと言えます(図2)。

市販抗がん剤と比較すると、DB-GSEの膵臓がんに対する薬効は非常に高く、注射タイプのドキソルビシン、パクリタキセルならびにゲムシタビンを、口からの摂取で上回るほどでした(図3)。他の臓器がんでも同様に効果が確認されました。

図2 休眠打破ブドウ種子抽出物の濃度依存的な抗膵臓がん効果

 

図3 休眠打破ブドウ種子抽出物と市販薬の抗膵臓がん効果比較

 

 ブドウならなんでも良い?

巨峰発祥の地、福岡県久留米市田主丸産の生食用の巨峰果実のタネのみを、契約農家さまから仕入れて使用しました。このため、安心のおいしい食材を厳選しています(図4)。

図4 契約農家さま巨峰園

 休眠打破巨峰種子抽出物

年齢とともに低下していく若々しさや健やかさ。これをブドウの赤ちゃんの生命力が、体本来の力に働きかけて、若々しく、健やかな人生のメンテナンスのお手伝いが期待されます。医師からも提供されている休眠打破巨峰種子抽出物、安心して飲み続けて頂く検証も行っています。

 

引用文献

[1] Sparreboom, A., Cox, M. C., Acharya, M. R., & Figg, W. D. (2004). Herbal remedies in the United States: potential adverse interactions with         anticancer agents. Journal of Clinical Oncology22(12), 2489-2503.

[2] Myles, S., Boyko, A. R., Owens, C. L., Brown, P. J., Grassi, F., Aradhya, M. K., Prins, B., Reynolds, A., Chia, J.-M., Ware, D., Bustamante, C. D., & Bustamante, C. D. (2011). Genetic structure and                           domestication history of the grape. Proceedings of the National Academy of Sciences108(9), 3530-3535.